REGの総所得・税務手続問題では、「現金を受け取ったか」だけで結論を出すと誤ります。債務が消えたのか、返済義務が残るのか、元本と利息のどちらか、共同申告による責任か、徴収段階の救済かを順番に分ける必要があります。2026年CPA Exam BlueprintとIRSの現行資料を基準に、計算より先に行う分類を整理します。
- 債務免除は原則所得から出発し、例外と除外を別々に確認する
- 支払不能除外は債務免除直前の純資産不足額が上限となる
- 低利貸付はみなし利息と対応する再移転の二段階で読む
- 税還付は元本と利息、共同申告は責任と救済を分ける
- OICはliability・collectibility・effective tax administrationを分類する
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1|まず「何が増え、何が消えたか」を特定する
所得問題では、現金の入金だけでなく、納税者の経済的地位がどう変化したかを確認します。借入時には現金が増えても同額の返済義務が生じるため、通常は所得ではありません。一方、その返済義務が免除されれば、例外・除外がない限り、純資産が増えるため債務免除所得を検討します。
同じ受取額でも、元本の返還、利息、損害賠償、贈与、借入、債務免除では分類が異なります。問題文から当事者、法的義務、支払理由、発生時点を抜き出し、金額計算より前に所得の入口を決めます。
- 返済義務は新たに生じたか、消滅したか
- 受取額は元本か、利息か、対価か
- 所得に含めない例外か、含めた後の除外か
- 除外を使う場合にForm 982や税務属性の調整が必要か
2|債務免除は「原則→例外→除外→属性減額」で解く
真正な債務が免除されると、納税者は原則として債務免除所得を認識します。ただし、贈与として行われた免除や、支払えば控除できた特定の債務などは、そもそも通常の債務免除所得に含めない例外を検討します。その後に、破産や支払不能などの法定除外を検討します。
支払不能は、債務免除の直前における負債総額が資産の公正価値を上回る額です。除外できるのは、免除額と支払不能額のいずれか小さい額までです。支払不能だったという一語だけで全額除外しないことが重要です。
除外されたから分析が終わるとは限りません。Form 982での報告や、NOL、税額控除、資産basisなどの税務属性の減額が必要となる場合があります。試験では、当期課税額と将来の税務効果を分けて追います。
3|低利貸付は2本の矢印で再構成する
適用連邦利率より低い利率の貸付に低利貸付ルールが適用される場合、税務上は独立当事者間利率で貸付を行ったものとして再構成します。貸手は借手から放棄利息を受け取ったものとされ、その同額を借手へ再移転したものとされます。
1本目の矢印は借手から貸手へのみなし利息で、貸手の利息所得を検討します。2本目の矢印は貸手から借手への再移転で、家族間なら贈与、雇用関係なら報酬、法人・株主間なら分配や資本拠出となる可能性があります。
問題文では、要求払貸付か期限付貸付か、当事者関係、法定例外、借手側の利息控除可否を確認します。貸付元本そのものが自動的に贈与や債務免除所得になるわけではありません。
- 矢印1:借手から貸手へのみなし利息
- 矢印2:貸手から借手への贈与・報酬・分配等
- 貸手の利息所得と借手の控除は別々に判定
- 年度により変動する適用連邦利率は問題文または現行資料で確認
4|税還付は元本と利息を分ける
連邦所得税は連邦課税所得の計算上控除できないため、連邦所得税の還付元本は通常所得に含めません。しかし、過納額に対してIRSが支払う利息は別個の経済的利益であり、通常は課税利息所得です。
州・地方所得税の還付では、過年度にその税を項目別控除し、実際に税務上の利益を得たかを確認します。tax benefit ruleにより、過年度の控除が税額を減らした範囲で当期所得へ戻す可能性があります。
設問にrefundという語があっても、元本、利息、控除回収を一括処理しません。支払理由ごとに金額を分解し、それぞれの所得区分と報告時期を決めます。
5|共同申告は「共同責任」と「救済」を分ける
有効な共同申告書を提出すると、夫婦は通常、申告税額と追加査定税額の全体について共同・連帯納税義務を負います。一方配偶者の所得申告漏れだけが原因でも、他方配偶者が自動的に免責されるわけではありません。離婚判決で配偶者間の負担を決めても、それだけでIRSの徴収権が変更されるとは限りません。
他方配偶者の誤りを知らなかった場合などは、innocent spouse relief、separation of liability、equitable reliefを検討します。Form 8857による申請と各制度の要件判定が必要です。
Injured spouse allocationは別制度です。これは、共同還付金が一方配偶者の別個の延滞債務へ相殺された場合に、他方配偶者の還付持分を取り戻す仕組みであり、申告税額そのものの責任を免除する制度ではありません。
- innocent spouse:共同申告上の追加税額責任の救済
- separation of liability:適格者間で不足税額を配分
- equitable relief:他の救済で解決しない公平性の検討
- injured spouse:共同還付金の相殺配分
6|OICは3つの根拠を混同しない
Offer in Compromiseは、税債務を全額未満で解決する可能性がある徴収制度です。Doubt as to liabilityは債務の存在または正しい金額に真正な争いがある場合、doubt as to collectibilityは資産・所得から全額徴収できるか疑わしい場合に検討します。
税額が正しく全額徴収可能でも、全額徴収が例外的な経済的困難を生じさせるなど、公共政策・衡平上の事情がある場合はeffective tax administrationが問題となります。単に支払いたくない、申告額が大きいという事情だけでは分類できません。
試験では、税額決定の手続と徴収代替策を分けます。査定額を争う手続、分割納付、currently not collectible、OICなどが同じ選択肢に並ぶときは、納税者が争っているのが金額か、支払能力か、例外的困難かを先に固定します。
公式情報・参考資料
制度や出題範囲は変更される場合があります。最終確認には以下の公式情報をご利用ください。
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