BARの差異分析は公式が多く見えますが、すべての差異は「何を固定し、何を実績へ置き換えたか」という比較です。Static budget、flexible budget、actual resultsを横に並べ、数量・価格・能率の影響を一段ずつ切り分けると、符号の暗記に頼らず解けます。
- Static・Flexible・Actualの3列で比較対象を固定する
- 価格差異には実際数量、数量差異には標準価格を使う理由を理解する
- Favorable・Unfavorableを計算符号ではなく利益への影響で判定する
- 差異を現場の原因と追加調査へつなげる
読んだ知識を、次の学習へ。
会員情報を確認しています。
1|Static・Flexible・Actualの3列を先に作る
Static budgetは当初計画した活動量、flexible budgetは実際活動量を予算単価・予算原価へ当てはめたもの、actual resultsは実際数量と実際価格・原価による結果です。
Staticとflexibleの差は活動量の影響、flexibleとactualの差は実際価格・投入能率などの影響を示します。問題文を読んだら数値を公式へ直接入れず、まず3列のどこに属するか印を付けます。
- Static:予算数量×予算単価
- Flexible:実際活動量×予算単価
- Actual:実際数量×実際単価
2|売上差異を価格と数量へ分ける
販売価格差異は、実際販売数量における実際価格と予算価格の差です。価格の違いだけを測るため、数量は実際値で固定します。
販売数量差異は、予算単位貢献利益を用いて、実際販売数量と予算販売数量の差が営業利益へ与えた影響を測ります。売上高だけの差と営業利益の差を混同しないよう、設問がrevenue varianceかoperating-income varianceかを確認します。
3|材料差異はPrice・Quantity・Mix・Yieldを階層化する
材料価格差異はactual quantity purchased or usedと実際・標準価格の差、材料数量差異は標準価格と実際投入量・標準許容投入量の差を使います。問題文が購入時点か使用時点かを確認します。
複数材料を使う場合、quantity varianceをmix varianceとyield varianceへさらに分けられます。Mixは同じ総投入量の中で配合割合が変わった影響、yieldは総投入量と実際産出量に対する標準投入量の差による影響です。
- Price:いくらで調達したか
- Quantity:標準より多く使ったか
- Mix:材料の組合せが変わったか
- Yield:投入総量から期待した産出を得られたか
4|労務と製造間接費は「時間」と「操業度」を分ける
直接労務はrate varianceとefficiency varianceへ分けます。Efficiency varianceでは、実際生産量に対するstandard hours allowedとactual hoursを比較します。予算生産量の標準時間を使わない点が重要です。
変動製造間接費では支出と能率、固定製造間接費では予算と操業度の影響を区別します。固定費のvolume varianceは、固定費を実際に多く支払ったことを直接意味せず、正常操業度に対して生産能力をどの程度利用したかという配賦上の差です。
5|差異を責任者の評価で終わらせない
有利差異が必ず良いとは限りません。安価な材料への変更が価格差異を有利にしても、品質低下により使用量、手直し、保証費用が悪化することがあります。逆に不利な価格差異が、品質向上や緊急需要への対応という合理的な判断の結果である場合もあります。
差異は調査の入口です。重要性、継続性、管理可能性、他の差異との関係を確認し、根本原因と是正策を考えます。担当者一人へ機械的に帰属させず、購買・生産・販売の共同影響を検討します。
6|MCQを90秒で整理する手順
まず設問が求める差異名とF/Uを確認し、次に比較する2列を選びます。公式を思い出す前に、変化させる要素と固定する要素を日本語で説明すると、数量の取り違えを減らせます。
- ① 求める差異と利益への方向を確認
- ② Static・Flexible・Actualのどの2列か判定
- ③ 変える要素と固定する要素を決める
- ④ 単位と実際数量・標準許容数量を確認
- ⑤ 計算後、結果が利益を増やすか減らすかでF/Uを検算
公式情報・参考資料
制度や出題範囲は変更される場合があります。最終確認には以下の公式情報をご利用ください。
この記事を、解ける知識に変える。
同じ論点を短く復習し、問題で使い、Cheat Sheetへ戻る学習パスです。