REGの所得・損失問題は、金額計算よりも「いつ認識するか」「何の所得か」「その損失を今使えるか」を先に整理すると安定します。現金を受け取った日だけを見るのではなく、資金を自由に使えた時点、会計方法、関連当事者、活動の性質、持分処分の条件を順に確認します。2026年CPA Exam BlueprintとIRSの2025年版刊行物を基準に、年度依存額を使わず判断構造をまとめます。
- 現金主義は実際受領とみなし受領を同じ入口で確認する
- 前受金は返金義務と利用制限を確認してから認識時期を決める
- 会計方法変更と誤謬訂正を区別し、Form 3115の要否を判定する
- 損失は発生・性質・利用可能性の3段階で分析する
- 受動的損失は全部処分と自己賃貸の再分類を別々に確認する
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1|所得認識は「権利・支配・会計方法」の順で読む
最初に、納税者が金額を受け取る法的権利を持つか、返済・返還義務があるかを確認します。真正な借入は返済義務があるため通常は所得ではありません。一方、サービスの対価として無制限に受け取った金額は、将来の履行が残っていても、現金主義では受領時所得となるのが出発点です。
次に、現金主義か発生主義かを固定します。現金主義は実際受領とみなし受領、実際支払を中心に読みます。発生主義ではall-events testやeconomic performance、さらに関連当事者ルールなどの上書き規定を確認します。
最後に、口座へ入った日、利用制限が解けた日、役務提供日、請求日をタイムラインへ置きます。単に12月・1月という月だけで答えず、どの事実が認識事由を成立させたかを言語化します。
- 法的性質:対価、借入、預り金、返金可能なdepositのどれか
- 納税者の方法:cashかaccrualか
- 支配時点:自由に引き出し、使用できたか
- 上書き規定:関連当事者、前受所得、方法変更などがあるか
2|みなし受領は「利用できたのに待った」を見抜く
現金主義の納税者は、現金を手で受け取らなくても、口座へ記帳され、通知され、実質的制限なく引き出せる状態になれば、みなし受領したと扱われることがあります。受領可能な報酬を本人の判断で翌年まで引き出さないケースが代表例です。
一方、支払者の資金不足、解除できない契約条件、第三者承認などの実質的制限がある場合は、単に帳簿上計上されたという理由だけでみなし受領とは限りません。試験では、納税者が年末前に資金を支配できたかを具体的に確認します。
小切手の郵送、オンライン決済、escrowなど媒体が変わっても判断軸は同じです。受取人がいつ現実にアクセスできたか、拒否・延期が本人の選択だったかを確認します。
3|前受所得と会計方法変更を混同しない
現金主義者が受け取る返金不要・無制限の前受金は、特別な繰延規定がなければ通常、受領時に所得へ含めます。翌年にサービスを提供するという事実だけで、現金主義の受領を翌年へ移すことはできません。返金可能な保証金や条件付預り金は、法的返還義務と資金支配を別途確認します。
継続して用いてきた総合的会計方法または重要項目の処理を変更する場合、通常はIRSの同意が必要です。自動変更・非自動変更の所定手続でForm 3115を用い、Section 481(a)調整によって過年度と当年度の所得が重複または脱漏しないようにします。
これに対して、算数ミス、事実の見落とし、明確な規定の誤適用は、会計方法変更ではなく誤謬訂正となる可能性があります。設問で『consistently used』や『material item』が示されたら方法変更を、『incorrectly omitted』などが示されたら誤謬を検討します。
- 前受金:返金義務と資金利用制限を確認
- 方法変更:一貫した処理の変更か
- Form 3115:適用手続と提出時期を確認
- Section 481(a):重複・脱漏を調整
- 誤謬訂正:方法変更手続で処理しない
4|損失は「発生→性質→利用可能性」の3段階で判定する
損失問題では、まず税務上の損失が成立したかを確認します。株式の価値が大きく下がっただけでは、売却や完全な無価値化がない限り、通常は認識事由がありません。資本資産である証券が完全に無価値となれば、その課税年度の最終日に売却されたものとみなし、保有期間を判定します。
次にordinary、capital、Section 1231などの性質を決めます。最後に、その損失を当年所得と相殺できるかを確認します。Capital loss、at-risk、passive activity、basisなどは異なる制限であり、『損失がある』ことと『当年全額控除できる』ことを同一視しません。
損失制限が複数ある問題では、問題文が求める段階を明確にします。たとえば、受動的損失が解除されても、同時に生じた持分売却のキャピタルロスが別の限度を受ける可能性があります。
- 認識事由は発生したか
- 資産・活動の税務上の性質は何か
- basisやat-riskの範囲内か
- passive・capital等の当年利用制限があるか
- 未使用額は消滅か、繰越しか
5|受動的損失の全部処分は3条件を確認する
受動的活動の繰越損失は通常、受動的所得との相殺に制限されます。ただし、納税者が活動の持分全部を非関連者へ譲渡し、実現損益をすべて認識する取引であれば、その活動の繰越損失は通常、処分年に解除されます。
『全部』であることが重要です。一部持分だけを売却して活動への持分が残る場合、同じ解除ルールをそのまま使えません。また、贈与や関連者への譲渡は、第三者への完全課税売却と異なる結果となります。
処分により解除されるのはpassive activity limitationです。他の損失制限まで自動的に消えるわけではないため、売却損のcharacterやcapital loss limitを別行で計算します。
6|自己賃貸・hobby・払戻しは分類を先に固定する
納税者が重要な参加をする事業へ資産を賃貸し、純所得が生じる場合、self-rental ruleによりその純所得を非受動的所得へ再分類するのが一般的です。事業と不動産を別の器に置くだけで、他の受動的損失を吸収する受動的所得を作ることを防ぎます。純損失まで同じように非受動的へ変えると決めつけないでください。
営利目的でない活動では、受取収入を趣味だからという理由で除外しません。一方、その活動を事業として扱い、給与等を相殺する無制限の純損失を作ることもできません。収入の算入と費用の控除を別々に判断します。
従業員費用の払戻しでは、business connection、substantiation、return of excessを満たすaccountable planなら、通常は賃金へ含めません。奨学金では、学位取得候補者か、授業料・必須教材か、寮費・食費か、役務提供条件があるかを分けます。名称ではなく、支払いの目的と要件が分類を決めます。
- 自己賃貸:純所得の再分類か
- hobby:収入算入と損失控除を分離
- accountable plan:事業関連性・立証・超過返還
- 奨学金:受給者・使途・役務条件
- 関連者未払費用:支払者控除と受取人所得の時期を対応
公式情報・参考資料
制度や出題範囲は変更される場合があります。最終確認には以下の公式情報をご利用ください。
- AICPA & CIMA|2026 CPA Exam Blueprints↗
- IRS|Publication 538 (2025), Accounting Periods and Methods↗
- IRS|Instructions for Form 3115↗
- IRS|Publication 550 (2025), Investment Income and Expenses↗
- IRS|Publication 925 (2025), Passive Activity and At-Risk Rules↗
- IRS|Publication 463 (2025), Travel, Gift, and Car Expenses↗
- IRS|Publication 970 (2025), Tax Benefits for Education↗
- IRS|Publication 17 (2025), Your Federal Income Tax↗
- IRS|Publication 525 (2025), Taxable and Nontaxable Income↗
- U.S. House of Representatives|26 U.S.C. § 267↗
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