TCPのbasis問題は、公式を何本も暗記するより、誰のbasisを、どの時点で、何の目的に使うのかを固定すると解きやすくなります。事業体側と所有者側を分け、増減項目と損失制限を決まった順番で追います。

この記事の要点
  • inside basis・outside basis・stock basis・debt basisを分ける
  • 所得・分配・損失の順序を固定してbasisを更新する
  • パートナーシップ債務とS法人債務の違いを説明できるようにする
  • basisの後にもat-risk・passive activityなどの制限を確認する
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1|最初に4種類のbasisを別の箱へ入れる

パートナーシップ資産のbasisはinside basis、パートナー持分のbasisはoutside basisです。S法人では、法人資産のbasisと、株主のstock basis・debt basisを分けます。

設問の主語がentityかownerか、求めているのが分配課税か損失控除か売却損益かを確認します。同じ金額が複数のbasisへ影響しても、同じ勘定ではありません。

  • inside basis:パートナーシップが保有する各資産の税務basis
  • outside basis:パートナーが保有する持分の税務basis
  • stock basis:S法人株式に対する株主のbasis
  • debt basis:S法人が株主へ直接負う適格債務に対するbasis

2|取引を時系列に並べてから計算する

期首basisへ当期項目を無造作に足し引きすると、分配の課税性や損失控除額を誤ります。所得項目、分配、控除不能費用、損失などを事業体ごとの順序に従って処理します。

IRSもS法人stock basisについて、所得による増加、分配、控除不能費用、損失・控除という順序を示しています。問題演習では各行の直後にbasis残高を書き、ゼロ未満にしないことを確認します。

3|債務の扱いがパートナーシップとS法人を分ける

パートナーシップでは、パートナーの負債持分の増加は通常、みなし金銭拠出としてoutside basisを増やし、減少はみなし金銭分配としてoutside basisを減らします。

一方、S法人の銀行借入れを株主が保証しただけでは、通常、株主のdebt basisは生じません。IRSは、株主が法人へ直接貸し付けた真正な債務が必要であり、loan guaranteeだけでは不十分と説明しています。

4|分配では現金を先に確認する

パートナーシップ分配では、金銭がoutside basisを超えると一般に利得が生じます。非現金資産のbasisは、同時に受け取った金銭を差し引いた残存outside basisによる上限を受けることがあります。

S法人の非配当分配では、課税性の判定にstock basisを使います。debt basisは損失控除に使える場合があっても、非配当分配の非課税範囲を増やすためには使いません。

5|損失制限を一段で終わらせない

basisが十分でも、損失が必ず控除できるわけではありません。S法人株主についてIRSは、stock・debt basis、at-risk、passive activity、excess business lossの順に制限を検討すると案内しています。

問題では各制限を独立したゲートとして扱います。前のゲートを通過した金額だけを次へ送り、制限された損失がどの性質を保って繰り越されるかを記録します。

  • basis limitation
  • at-risk limitation
  • passive activity limitation
  • excess business loss limitation

6|basis問題を解くための5行テンプレート

数値が複雑でも、毎回同じ5行へ落とします。最後に、求められているのが期末basis、当期控除額、分配利得、売却損益のどれかを再確認します。

  • ① 対象者とbasisの種類
  • ② 期首basisと追加投資・債務変動
  • ③ 所得・利益による増加
  • ④ 分配・控除不能費用・損失による減少
  • ⑤ 課税額・控除可能額・繰越額

7|年度依存の数値と恒久的な考え方を分離する

税率、所得基準、控除限度額などは改正されます。basisの増減理由や損失制限の順序といった考え方を先に固め、年度依存の数値は受験年度のBlueprintと公式更新資料で確認します。

AICPAは税法改正が試験対象となる時期の方針を公開しています。新しい法律が成立しただけで直ちに試験問題へ反映されるとは限らないため、受験日と公式の適用時期を照合します。

公式情報・参考資料

制度や出題範囲は変更される場合があります。最終確認には以下の公式情報をご利用ください。

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