TCPは、税率だけで有利不利を決める科目ではありません。同じ現金の移動でも、S法人の分配、パートナーシップ持分の譲渡、Roth conversion、C法人の配当では、当事者、basis、所得の性質、認識時期が変わります。本記事では、所有者レベルと事業体レベルを往復するための比較地図を作ります。

この記事の要点
  • S法人分配はAAA・accumulated E&P・株式basisの順序で確認する
  • Section 754は譲受パートナーのinside basis調整であり、所得免除の選択ではない
  • 役務を提供するS法人株主は、分配前にreasonable compensationを検討する
  • Roth conversion、QBI、NIITは所得の性質とthreshold・例外を分けて判断する
  • estate portabilityとgift splittingは、意思だけでなく期限内の申告・同意手続が必要
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1|TCPは事業体と所有者を二つのレーンで追う

問題文を読むとき、左に事業体(partnership、S corporation、C corporation)、右に所有者(partner、shareholder、individual)を書きます。現金や資産が左から右へ移ったら、誰の所得か、どのbasisが動くか、いつ認識するかを別々に記録します。

この二層を分けると、S法人のAAAと株式basis、パートナーシップのinside/outside basis、C法人のE&Pと株式basisを同じものとして扱う誤りを防げます。

  • 事業体側:所得、basis、E&P、負債、分配原資
  • 所有者側:持分basis、受取額、所得character、制限
  • 時間軸:拠出、当期活動、分配・譲渡、期末

2|S法人は分配レイヤーとreasonable compensationを分ける

S法人が過去のC法人期間からaccumulated E&Pを持つ場合、分配のcharacterはAAA、accumulated E&P、株式basis、capital gainの順序を確認します。S法人分配を一律にbasis返還と考えると、E&Pの存在を見落とします。

また、株主が法人のために重要なサービスを提供する場合、非賃金分配だけに寄せる前に、役務に対するreasonable compensationを検討します。報酬と分配は税率の希望ではなく、支払の性質と実際の仕事で判断します。

  • 分配前にAAAとaccumulated E&Pを確認
  • 各レイヤーの金額と株式basisを更新
  • サービスを行う株主の役割・市場水準・給与を確認
  • 給与税と分配characterを別の論点として記録

3|Section 754は新パートナーのinside basisのための選択

パートナーが持分を譲渡し、パートナーシップが有効なSection 754 electionを行っている場合、一定の条件でSection 743(b)に基づく譲受パートナー向けのinside basis調整が可能になります。選択はパートナーシップ所得を非課税にしたり、譲渡者の利得を常に消したりするものではありません。

分配を伴うケースではSection 734(b)が関係することもあります。設問が持分譲渡か分配かを囲み、Section 743(b)と734(b)を入れ替えないようにします。

  • 持分譲渡:譲受者とSection 743(b)
  • 一定の分配:パートナーシップbasis調整とSection 734(b)
  • inside basisとoutside basisを別々に更新
  • 選択の有無・有効性・適用対象を確認

4|Roth conversion・QBI・NIITは所得の性質から判断する

税引後basisのないtraditional IRAをRoth IRAへconversionすると、通常はconversion額が総所得に含まれます。これは後のqualified Roth distributionとは別のイベントです。「相続まで無視する」「常に非課税の贈与」という選択肢は、認識時期を取り違えています。

QBIでは、適格事業の所得と、個人がemployeeとして受ける賃金・reasonable compensationを分けます。NIITでは、投資資産の利息・配当・一定の利得を、賃金や多くのactive business項目と区別し、thresholdと法定例外を適用します。

  • Roth conversion:pre-tax額とbasisを確認
  • QBI:事業所得かemployee compensationかを分類
  • NIIT:投資収益か役務報酬かactive businessかを分類
  • 年度固有のthreshold・限度・例外は公式資料で更新

5|外国税額はcreditとdeductionを同じ税で重ねない

適格な外国所得税は、一般にforeign tax creditまたはitemized deductionのいずれかで扱います。creditには所得カテゴリーや米国税額による制限があり、同じ外国税を両方のbenefitへ重ねることはできません。

選択肢にIRSが必ず現金還付、常に給与税、自動的に無視が出たら、まず外国所得税が適格か、どの所得に対応するか、適用制限は何かを確認します。最終的な有利不利は数値と年度条件を使って比較します。

6|estate portabilityとgift splittingは申告行為を確認する

deceased spouseの未使用estate-tax exclusionを生存配偶者へportするには、通常、期限内のestate-tax returnで選択を行います。遺言だけで自動的にportabilityが成立するわけではなく、提出期限・延長・利用できる救済手続を確認します。

gift splittingも、夫婦の口頭同意だけではなく、gift-tax return上の同意と各配偶者に必要な提出・同意手続が必要です。誰が贈与を行ったか、どの申告で選択するか、期限はいつかを一行で記録します。

  • portability:estate-tax returnと期限
  • gift splitting:両配偶者の同意とgift-tax return
  • Form 1040の延長とgift/estate taxの手続を混同しない
  • 相続・贈与の年度と適用ルールを確認

7|C法人の現金分配はE&Pから始める

C法人がcurrentまたはaccumulated earnings and profitsを十分に持つ間に株主へ現金を分配すると、通常はE&Pの範囲で配当になります。その後、株式basisの返還やcapital gainを検討します。給与、貸付、パートナーシップ分配と同じように処理しないことが重要です。

法人側の控除、株主側の配当、basisの減少は別のレーンで記録します。問題文が法人にE&Pがあるか、株主が何を受け取ったかを示しているかを確認してから選択肢を消去します。

8|TCPの解答ログを三列で作る

誤答復習では、左列に当事者・事業体、中央列にbasis・所得character・認識時期、右列に申告・選択・証拠要件を書きます。似た数字の問題を追加するときも、数値を変えただけでなく、どの列の判断が変わるかを記録します。

税法は改正されるため、原則(誰のbasisか、いつ認識するか)と年度固有の数値を分離します。記事と問題の出典リンクを開き、更新日を確認してから復習を完了します。

公式情報・参考資料

制度や出題範囲は変更される場合があります。最終確認には以下の公式情報をご利用ください。

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