TCPでは、有利な制度名を選ぶだけでなく、いつ所得を認識し、何を失い、どの証拠や選択が必要かを比較します。株式報酬、退職資産、慈善寄附、財産移転を「現在課税・将来課税・完全移転・残存リスク」の四列で整理すると、複数制度を横断する問題にも対応できます。
- 83(b)・ISOは選択期限と没収・AMTリスクまで比較する
- QCD・NUAは受取経路を変えると税務結果が変わることを理解する
- 慈善寄附は売却前の現物移転と法的支配の移転を確認する
- GRAT・QTIP・CLTは先行受益権と残余受益権の順序で見分ける
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1|制度名より先に4列の比較表を作る
税務プランニング問題では、同じ資産でも受領、行使、移転、売却の順序によって課税時期とcharacterが変わります。最初に当事者、資産、実行日、現金化日を時系列へ置きます。
次に、現在認識する所得、将来へ繰り延べる所得、basis、失敗時の結果を横並びにします。節税効果だけを選ばず、流動性、価格変動、没収、死亡、選択期限という非税務リスクも評価します。
- Current tax:今期に何が総所得へ入るか
- Deferred tax:どの事象まで繰り延べるか
- Basis・character:将来売却時の計算基礎は何か
- Execution risk:期限・書類・保有条件を満たせるか
2|83(b)とISOは「早期課税」と「AMT」を分ける
substantially nonvested propertyへSection 83(b)選択を行う場合、財産移転後30日以内に提出します。移転時の価値が低い段階で所得を認識できる可能性がある一方、その後に財産を没収されても、支払った税を十分回収できないリスクがあります。
ISOはregular tax上、通常、付与・行使時に所得を認識しませんが、年末まで保有する場合、行使価格と公正価値のspreadがAMT調整となる可能性があります。行使資金、AMT支払資金、株価下落リスクを同じ表で確認します。
3|NUAとQCDは「誰が直接受け取るか」が中心
適格一括分配に含まれる雇用主株式でNUA処理を使う場合、雇用主株式の未実現純増価は通常、分配時ではなく後の株式売却時まで課税が繰り延べられます。IRAへ全面的にrolloverすると同じNUA処理を使えないため、資産ごとの移転先を確認します。
QCDは、適格なIRA所有者について、IRA受託者から適格慈善団体へ直接送金することが中心要件です。要件を満たす金額は通常、総所得から除外され、RMDへ算入できる一方、同額の慈善寄附控除を重ねることはできません。
4|含み益資産は「売って寄附」と「現物寄附」を比較する
1年超保有した適格なcapital gain propertyをpublic charityへ直接寄附すると、含み益を認識せず、公正価値を基礎とする控除を得られる可能性があります。先に売却して現金を寄附すると、売却益は通常認識します。
ただし、寄附先、資産用途、保有期間、割合制限、鑑定、Form 8283などの要件で控除額は変わります。「株式なら必ず時価控除」と単純化せず、資産と寄附先の組合せを確認します。
5|DAFとprivate foundationは支配権の残り方が違う
donor-advised fundでは、寄附後の資産をスポンサー慈善団体が法的に管理し、寄附者は投資・助成について助言権を持つのが基本です。助言権は資産の取戻権や個人的利用権ではありません。
private foundationでは、主要寄附者、財団管理者、一定の関連者などがdisqualified personとなり、財団との売買、貸付、資産利用などはself-dealing規制を受けます。公正価格であっても自動的に許容されない点が試験上重要です。
6|GRAT・QTIP・CLTは支払順序を図にする
GRATでは設定者が所定期間の固定年金を保持し、その後の残余財産を家族等へ移します。資産成長が評価時の前提を上回る可能性を活用しますが、設定者の期間中死亡や評価変動を考慮します。
QTIPでは生存配偶者が生涯の全所得を少なくとも年1回受け取り、遺言執行者が選択を行います。最初の死亡時に婚姻控除を得る代わりに、後の生存配偶者死亡時に通常、信託価値をその総遺産へ含めます。
CLTでは慈善団体が先行受益権を受け、期間終了後に非慈善受益者へ残余が移ります。charitable remainder trustは非慈善受益者が先、慈善団体が後です。名前ではなく矢印の順序で区別します。
- GRAT:grantor annuity → family remainder
- QTIP:surviving spouse income → remainder beneficiaries
- CLT:charity lead → noncharitable remainder
- CRT:noncharitable lead → charity remainder
7|TCPの選択肢を6項目で比較する
有利な結果だけを書く選択肢は不完全な場合があります。次の順序で制度の要件と副作用を照合し、税務結果が一意に決まるまで条件を固定します。
- ① 所有者・受益者・寄附先を特定
- ② 移転前後の法的支配を確認
- ③ 認識時期と所得characterを決定
- ④ basisと将来売却時の結果を追跡
- ⑤ 期限・選択・直接送金・保有期間を確認
- ⑥ AMT・死亡・没収・流動性のリスクを比較
8|2026年受験では限度額を公式資料へ戻す
QCD上限、退職制度の拠出限度、estate and gift taxの基礎控除などは改正・物価調整で変わります。本記事では変わりにくい判定構造を中心にし、年度依存額は掲載していません。
受験直前には、AICPAの2026 Blueprintとpronouncement policy、IRSの2026年版instructions・revenue procedureを確認してください。古い問題集の数値を新年度へ自動的に引き継がないことが重要です。
公式情報・参考資料
制度や出題範囲は変更される場合があります。最終確認には以下の公式情報をご利用ください。
- AICPA & CIMA|2026 Uniform CPA Examination Blueprints↗
- IRS|2026 Instructions for Forms 1099-R and 5498↗
- IRS|Form 15620, Section 83(b) Election↗
- IRS|Topic No. 427, Stock Options↗
- IRS|Topic No. 412, Lump-Sum Distributions↗
- IRS|Donor-Advised Funds↗
- IRS|Special Types of Trusts↗
- IRS|Instructions for Form 706—QTIP Election↗
- IRS|Publication 526, Charitable Contributions↗
- IRS|Private Foundations↗
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