TCPの相続・贈与プランニングは、控除額の暗記よりも、誰がいつ何を移転し、移転後もどの権利を残し、死亡時に何が総遺産へ戻るかを追うことが中心です。さらに、受贈者が現在享受できるか、権利放棄を適格に行ったか、skip personへの移転がどのGST事象かを分類します。2026年CPA Exam Blueprint、IRSの2025年版Form 706・709 Instructionsを基準に判断フローをまとめます。
- 贈与時の権利と死亡時の留保権を別の時点で確認する
- 名義移転だけでなく、所得・使用・指定権の留保を追う
- 生命保険は死亡時のownership incidentsと死亡前3年移転を確認する
- qualified disclaimerは書面・期限・未受領・指図なしで判定する
- GSTはdirect skip・taxable distribution・taxable terminationを移転経路で分類する
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1|相続・贈与問題は4つの時点を一本の線にする
最初に、資産取得時、贈与・信託設定時、その後の権利変更時、死亡時を時系列へ並べます。各時点で法的所有者、所得受領者、使用・享受者、受益者指定権を誰が持つかを記録します。
贈与税は生前移転、遺産税は死亡時の総遺産を中心にしますが、同じ移転が両方へ関係することがあります。生前に名義を移しても、享受や指定権を残せば、死亡時に総遺産へ算入される可能性があります。
最後に、移転相手が配偶者、子、孫、信託、慈善団体のどれかを確認します。同じ資産でも相手と権利内容により、marital deduction、annual exclusion、GST、charitable split-interest rulesの入口が変わります。
- 取得時:basisと所有者
- 移転時:対価、贈与、信託設定のどれか
- 移転後:所得・使用・指定権を誰が持つか
- 死亡時:留保権、3年ルール、指名権が残るか
- 受取人:nonskip personかskip personか
2|年次除外は金額より先に現在権を判定する
受贈者が直ちに、無制限に資産を使用・占有・享受できる権利は通常、present interestです。贈与税のannual exclusionは原則としてpresent interestを対象とし、将来にならなければ享受できないfuture interestには通常適用されません。
信託への贈与では、受益者が直ちに引き出せる権利を持つか、分配が受託者の裁量または将来の条件に依存するかを確認します。権利の名称だけでなく、受益者が現時点で経済的利益へアクセスできるかを読みます。
試験で年度固有のannual exclusion額が必要なら、問題文の金額または受験年度の公式資料を使います。金額を暗記しても、future interestをpresent interestと誤分類すれば正解できません。
3|生命保険はownership incidentsと3年ルールを二段階で確認する
被相続人が死亡時に、契約変更、解約、借入、受益者変更などのincidents of ownershipを持つ生命保険の保険金は、通常、総遺産算入を検討します。保険金の受取人が別人でも、被相続人の権限を確認する必要があります。
死亡時に権限がなくても、被相続人が自身の生命保険契約を死亡前3年以内に移転していた場合、Section 2035により保険金が総遺産へ戻る可能性があります。単に『死亡時に所有していない』という事実だけで除外しません。
新規契約を他者が最初から所有した場合と、被相続人が既存契約を後から移転した場合を区別します。また、保険料の贈与、受益権、信託の権限など、問題文がどの取引を問うかを限定します。
- 死亡時に契約上の権限があるか
- 既存契約を死亡前3年以内に移転したか
- 受取人と契約所有者は誰か
- 保険料移転と保険金算入を混同していないか
4|Section 2036と2041は「残した権利」の種類で分ける
Section 2036は、生前に資産を移転しても、被相続人が生涯の占有・享受・所得権、または誰がそれらを受けるか指定する権利を留保した場合を中心に扱います。住宅を子名義にしながら生涯居住権を残す例では、法的名義より経済的享受を重視します。
Section 2041のgeneral power of appointmentは、権限保有者が財産を自己、自己の遺産、自己の債権者、または遺産の債権者のために指定できる権限です。単なる投資管理権や、health、education、support、maintenanceという客観基準に限定された消費権とは区別します。
両者は総遺産算入へつながり得ますが、2036は移転者が留保した享受、2041は他者が設定した財産について保有者が持つ一般的指名権という違いがあります。設問の『誰が最初に移転したか』を確認します。
- 2036:移転者が使用・所得・享受を留保
- 2041:保有者が自己等へ指定できる一般的権限
- HEMS基準:一般的指名権から除外される可能性
- 真正な十分対価の売買か
- 死亡時に権利が存続していたか
5|Qualified disclaimerは5要件を同時に満たす
Section 2518のqualified disclaimerでは、撤回不能・無条件の書面による拒否を、原則として移転日と放棄者が21歳に達した日のいずれか遅い日から9か月以内に所定の相手へ届けます。放棄前に財産または利益を受け入れていないことも必要です。
さらに、放棄後の財産は放棄者の指図なく、被相続人の配偶者または放棄者以外の者へ移転する必要があります。放棄者が『自分の子へ渡す』と移転先を選べるなら、適格性を損なう可能性があります。
適格な放棄は、連邦贈与税上、放棄者から次の受取人への贈与として扱わないことを目的とします。州法上有効な放棄でも、連邦税法の全要件を満たすとは限らないため、試験ではSection 2518の要件を個別に確認します。
- 書面による拒否
- 撤回不能・無条件
- 法定9か月期間内
- 財産・利益を受け入れていない
- 放棄者の指図なく財産が移転する
6|GSTは移転経路で3種類に分類する
Generation-skipping transfer taxでは、まず受取人がskip personかを判定します。祖父母から孫への課税対象の直接贈与のように、skip personが直接財産を受ける移転は通常direct skipです。
信託からskip personへ所得または元本を分配し、direct skipでもtaxable terminationでもない場合はtaxable distributionを検討します。信託に残るnonskip personの持分が終了し、skip personだけが持分を持つようになる場合はtaxable terminationを検討します。
Form 709では生前贈与と一定のGSTを報告し、GST exemptionの配分やautomatic allocation rulesを確認します。試験では、免税額の数値計算へ進む前に、誰がtaxpayerか、どのイベントが発生したかを固定します。
相続・贈与・GSTの限度額やexemptionは法改正で変わり得ます。2026年受験ではAICPA Blueprintと、受験時点のForm 706・709 Instructionsを参照してください。本記事は個別の相続・税務助言ではありません。
- direct skip:skip personへの直接課税移転
- taxable distribution:信託からskip personへの分配
- taxable termination:nonskip interestの終了
- GST exemption:配分と自動配分を確認
- 申告主体:donor、trustee、executorの誰か
公式情報・参考資料
制度や出題範囲は変更される場合があります。最終確認には以下の公式情報をご利用ください。
- AICPA & CIMA|2026 CPA Exam Blueprints↗
- IRS|Instructions for Form 706 (2025)↗
- IRS|Instructions for Form 709 (2025)↗
- IRS|Publication 559 (2025), Survivors, Executors, and Administrators↗
- 26 U.S.C. §2035|Transfers Within Three Years of Death↗
- 26 U.S.C. §2036|Transfers with Retained Life Estate↗
- 26 U.S.C. §2038|Revocable Transfers↗
- 26 U.S.C. §2041|Powers of Appointment↗
- 26 U.S.C. §2518|Disclaimers↗
- 26 U.S.C. §2612|Taxable Termination, Taxable Distribution, and Direct Skip↗
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